日本海洋学会海洋環境問題研究会の活動:過去・現在・未来 -設立 50 周年を迎えて-

開催日時:2023年9月23日(土)13:00~17:00
方式:京都大学吉田キャンパスとオンラインの同時進行によるハイブリッド開催
現地会場:吉田キャンパス南4号館 21号室(第2会場)
主催:日本海洋学会 海洋環境問題研究会
コンビーナー:福田 秀樹(東京大学大気海洋研究所)・速水 祐一(佐賀大学農学部)
参加申込:Google Formにて登録を受け付けています
趣旨&プログラム:こちらからPDFファイルとしてダウンロードができます
ZoomのURLは上記の参加申込をされた方にお送りしています。非会員の方も参加できます
※シンポジウム終了後にGoogle formにて、コメント・感想を受け付けています

趣旨
 日本海洋学会海洋環境問題研究会の前身である「海洋環境問題委員会」が設立されてより、本年で 50年を迎える。本委員会は、日本海洋学会が1973 年 4 月の総会で決議した「海洋環境問題に対する声明」に基づき設置されたが、その骨子は『日本海洋学会は,ここに海洋環境問題委員会を発足させ,今後積極的な環境問題の具体的な研究方法および研究体制を討議確立し,その活動を通じて,海洋環境の改善に努力するとともに,いかなる形においてもわれわれの研究が、環境改善とは逆の方向に悪用されることのないように努めます』とな っている。この強い決意の下、本会は海洋環境問題に対する日本海洋学会の海洋科学専門家集団としての社会的役割を果たすべく、延べ122名の会員(委員)の参画により運営されてきた。その具体的な活動は、1)地球規模の環境問題、沿岸環境の課題とそれに対する海の研究者の対応をまとめた出版物の発行、2)これらの問題等に対する議論と情報発信の場となるシンポジウムとナイトセッションの開催、3)問題の解決、環境保全・改善に向けた提言の取り纏めとなっている。科学的見地から取り纏められた「提言」として、東京湾三番瀬、中海本庄工区、中部国際空港人工島、有明海、東京国際空港再拡張、愛知県豊川水系設楽ダムに関連する問題に対するものが「海の研究」誌上に発表されており、これらを通じて海洋の環境保全・改善に向けた方向性を事業者や関係省庁・自治体に対して示してきた。この50年の間に社会情勢は大きく変化し、大規模な公共工事が減少する一方で、海洋の環境問題は産業活動や市民の日々の生活までの様々なプロセスが原因となるものが顕在化し、その規模も内湾レベルのものから地球規模ものまで多岐にわたるものとして、国民の全てに切実な問題となっている。会員、若手学生、ならびに行政や企業関係者、そして一般市民の間のコミュニケーションを促進してきた海洋環境問題研究会が、今後、担っていくべき活動について、研究会のこれまでの活動を振り返りながら、学会内外の方々と議論したい。

プログラム
13:00-13:15 開催主旨説明 福田 秀樹(東京大学)
13:15-13:40 有明海環境悪化機構究明と環境回復について 速水祐一(佐賀大学農学部)
13:40-14:05 羽田空港滑走路拡張事業での環境影響評価の科学的実施と、研究者の 参加課題
 風呂田利夫(東邦大学名誉教授)・野村英明(東京大学大気海洋研究所)
14:05-14:30 有害有毒赤潮研究に取り組んできて思うこと 今井一郎(北海道大学名誉教授)
14:30-14:55 日本の海洋環境問題と研究者との関わりの変遷に関する一考察 清野聡子(九州大学大学院工学研究院)
14:55-15:10 休憩
15:10-15:35 インターネットを活用した海洋プラスチック問題の啓発 中嶋亮太(海洋研究開発機構)
15:35-16:00 海洋環境問題としての気候変動予測と影響評価 河宮未知生(海洋研究開発機構)
16:00-17:00 パネルディスカッション   「海洋環境問題における研究者の役割」
司会:福田秀樹   パネリスト:今井一郎、河宮未知生、清野聡子、速水祐一、風呂田利夫

Published On: 2023-9-6Categories: シンポジウム